初めて輸入車を買う方へ
「認定中古車に騙されるな」 


輸入車を初めて購入しようとする方からメールでよく相談をうけます。今回は私の回答の一例です。

例えば、ディーラー認定中古車というものがありますが、これは買取り、または下取り車の中から無事故で走行距離の少ないものを選び、そこからメーカーではなく「ディーラー独自の」点検項目に基づいて整備して中古車展示場に並べられます。


認定中古車と聞くと凄まじい箇所の点検を受けた車、極上車という印象がありますが実際は違います。中古車として認定を受けるまでの整備の時間はディーラーの匙加減で決まります。自動車業界は整備士の動く時間で整備単価が決まります。車両が入庫し、店頭に並べるだけの点検に時間をかければかけるほど赤字です。基本的におおまかな受け入れ点検をし、あとの不具合はお客さんからのクレーム待ちにしておけば良いわけです。保障期間内にクレーム作業の台数が多いのはこのためです。点検は若い整備士に作業させ、短時間で終了させます。こんな点検にベテランが回っては勿体無いのです。あとは美装班に仕上げさせて終了です。


オイル交換やブレーキパッドの交換さえしていれば、これらが新しいだけでお客さんはしばらく不具合がないと思ってしまいます。



認定中古車を購入して一回目の車検というのは保障が絡むので購入店で行う場合が多いですが、売った側としてはこの一回目の車検を請けることでも収益が発生しますが、あまりシビアな見積もりを出すと「買ったばかりなのに」とクレームが付けられますので甘い審査で安く車検見積もりを作成することで「やっぱり認定中古車は壊れない」というイメージを植えつけられます。

だがしかし・・・

一回目の車検さえクリアすればディーラー側はもうこの客は終わりです。次は新車を購入させないといけません。次回からの12ヶ月点検や車検を誘致して入庫させては高額な見積もりへ変化させ、「走行距離が・・・」「新車ではないので・・・」「経年劣化が・・・」という理由をつけてきます。保障が切れているので強気でOKなわけですね。



私に言わせれば認定中古車というのは購入時の走行距離が絶妙なのです。距離は少ないものの、一年一万キロというスパンで計算されていて一回目の車検で5万キロ前後になり、ギリギリ車検が安く済ませられるのです。よって、以降は買取がガクッとさがり価値がなくなります。再販できません。売る側は「販売時」「一回目の車検時」の収益、終われば乗り換えを勧める。これを目的としています。

それならば、ディーラーではなく専門店で売られている距離は走っているものの保障が付いている認定中古車よりもい安い車両の方が断然お勧めできます。



「魔の5万キロ」という言葉があります。
(無いですが)
私の経験上、5万キロを境に輸入車はどうしてもメンテナンスにお金がかかってしまうケースが多いです。それも複数オーナーになるとその確率はグンっと上ります。私はよく言うのですが、中古車オーナーになった時点でその車はワンオーナー車両ではありません。車というのは本当に生き物でオーナーが変わると故障する箇所も変わります。今まで壊れなかった箇所が壊れます。これは本当の話なのです。


総括

中古輸入車を購入する際は走行距離なんてどうでも良いのです。よって中古車を買うのなら保障があって安くて自分が一目ぼれした車両を買えば良いです。



色も含めて欲しいのがあって、だけどその車はディーラー認定中古車でなく距離も伸びている。 同じ年式で色も違う、装備も違う、だけど同じ車両がディーラー認定中古車で売られている。結局、安心を買ったと思ってディーラー認定中古車を買った・・・・このケースだと、まず2年もすれば後悔するでしょう(笑)



距離も伸びればどうせ細かいトラブルも付いて回りますし、先に書いたように認定中古車の美味しい部分なんてそう無いのです。 色が違う、装備が違う、それで妥協してしまった後悔。 「安心」なんてのは差額では埋まらなかったというのに気が付くでしょう。車が単なるコレクションであって日常で使用しない場合を除いて、オーナーと共に歳をとっていき、その間に環境はどんどん変わってきます。中古車を買うという事は新車を買ってゼロからスタートするわけではありません。その車はもう使われているのです。途中からオーナーになるということです。購入時の距離の倍以上を乗って前オーナーよりもその車を知ることです。それが中古車の楽しみでもあります。

よく、ベンツやBMWなどの中古を購入した方のことを「型落ち」「DQN」だの馬鹿にする方がいますが、それは間違っています。車なんて高額を出して新車で買おうが乗った瞬間に中古となり、数年で型落ちです。それなら最初から新しさを求めず気に入ったものを安く買ったほうが賢いです。





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