BMW 5、7に多いHSRのトラブル。HSRというのは後輪操舵のことで4WSのことであーる。ほとんどが水没で故障する・・・と言われるが、トランク内にあるユニットが水没で故障するのは有りえるがアクスルについているアクチュエーター(リアのステアリングラック)が水没で故障するというのはほとんど無い。アクチュエーター水没ってのはほとんど嘘だし。分解してみればわかりますが水なんて入ってませんからね。分解してから言えっつーの。
しかし、ディーラーなどで診断を受けると、この16万円もするアクチュエーターも水没でダメになっていてハーネス含めて交換を勧められる。分解もしてないのに。バッテリー後ろのユニットは水没はありえるけど。防水じゃないんで。
しつこいが経験上、このアクチュエーターが水没が原因で故障するのは見たことがない。ディーラーで交換しないと直らないと言われた方、特に中古車を扱っている車屋さんで高額修理なため、故障したまま泣く泣くオークションに流そうとしているのであれば、まずここを見てほしい。アクチュエーターに付いている舵角センサー。
センサーはトルクス2本で留められている。センサー自体は液体ガスケットで密着されているだけなので簡単に外せる。外すとセンサーの受光部に当たるマグネット部分が見える。ねじの右側に縦に伸びている四角いものがそれ。
わかるでしょうか?このように割れているのです。これだと舵角が検知されず常時エラーとなってしまう。グリスが切れて固着ぎみになり、この白い樹脂のマグネットベース部分が割れる。 電気的に操舵角を与えて、その信号とココで計測される実測操舵角がズレるからエラーになる。あまり動かさない車、例えば大事に乗りすぎているとか中古車で展示場に放置されているような環境など。
これをこの状態でベース部分を接着修理する。
アクチュエーターは防水ではあるものの、ステアリングラックとしての耐熱性はあまりない。アスファルトからの熱、内部での湿気・・・これの繰り返しで製造過程で摺動部分の潤滑性が良くないこの部分がさらに円滑に動かなくなり、割れてしまう。
白っぽい樹脂パーツの接着にはこのような専用の接着剤を使って補修し、動く部分にはグリスを塗布しセンサーを取り付ける。フォルトが入らなければ動いているので完治である。16万円が接着剤とグリス代のみで済む。
BMW HSR